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住宅ローンのがん団信はつけるべきか?期待値から計算

投資

住宅ローンのがん団信とは

住宅を購入する際、多くの方が利用するのが「住宅ローン」です。住宅ローンには一般的に団体信用生命保険(団信)が付帯しており、万が一契約者が死亡や高度障害状態になった場合、ローンの残額が保険でカバーされる仕組みになっています。
がん団信とは、住宅ローンの契約者ががんと診断された場合に、ローン残額が保険で支払われる仕組みの保険です。がん団信は、通常の団信に追加される特約であり、がんになった際の経済的な負担を軽減するために設けられています。
また、一般的に、がん団信で保障対象となるのは悪性新生物(いわゆる「がん」)です。上皮内がんや皮膚がんなど、一部のがんは対象外となることがあります。

がん団信の特約は、住宅ローンの金利を0.1〜0.3%程度上乗せすることで追加できることが一般的です。
金融機関ごとに上乗せ金利が異なっているので、詳細は各金融機関の契約内容をよく確認する必要があります。

がん団信はつけるべきか?

がん団信をつけるべきかどうかは、結局金利上乗せで支払う金額より支払われる保険金が多い可能性が高いかどうかだと思います。
そのため、日本でのがん罹患率から支払われる保険金の期待値を計算して、上乗せ金利より得かどうかを検証してみました。
基本的に保険会社が利益を取っていて、損する可能性のほうが多いので、個人的には保険は嫌いです。
がん団信もつけなくていいと考えていて、ちゃんと計算してみましたが、結論としては、ほとんどの場合がん団信をつけたほうが得になる可能性が高いという結果になりました。

がん団信で支払われる保険金の期待値

がん団信で支払われる保険金の期待値を計算してみます。
# 計算・データ・考え方が間違っているところあったら教えてください。計算し直します。

期待値の計算に必要な日本のがん罹患率は、以下のがん研究センターが出している2019年のがん累積罹患リスクを使用します。(5年刻みのデータ)

2019年 がん累積罹患リスク (国立研究開発法人国立がん研究センター)

住宅ローンは、35年ローンを想定して一般的に80歳までに完済のため、ローン契約年齢は20歳〜45歳、ローン完済年齢は55歳〜80歳となります。
この範囲のデータを抽出すると、以下の表になります。若いときは女性の方ががん罹患率が高くて、高齢になると男性の方が高くなります。

性別現在年齢25歳30歳35歳40歳45歳50歳55歳60歳65歳70歳75歳80歳
男性20歳0.1150.2830.5330.9211.5402.5044.246
男性25歳0.1690.4190.8091.4312.3984.1457.351
男性30歳0.2510.6421.2662.2373.9917.20912.744
男性35歳0.3931.0201.9963.7596.99412.55821.008
男性40歳0.6321.6153.3906.64912.25320.76431.412
男性45歳0.9942.7896.08311.74920.35431.11942.799
女性20歳0.1590.4501.0212.0063.6596.0778.949
女性25歳0.2920.8651.8523.5095.9338.81212.197
女性30歳0.5751.5663.2295.6638.55311.95115.992
女性35歳0.9982.6735.1238.03411.45515.52320.516
女性40歳1.6944.1727.11610.57714.69119.74125.615
女性45歳2.5265.5269.05313.24618.39224.38030.935
2019年 がん全部位の累積罹患リスク 抜粋

この表の見方は、例えば、20歳の男性が25歳までにがんに罹患する確率が0.115%、30歳までにがんに罹患する確率が0.283%となります。
よって、20歳男性が20~25歳の間に保険金が支払われる確率は0.115%、25~30歳の間に保険金が支払われる確率は0.168%(=0.283-0.115)と考えます。
支払われる保険金の金額は、20~25歳の場合は中間を取って22.5歳時点の住宅ローン残高、25~30歳の場合は27.5歳時点の住宅ローン残高とします。
期待値の計算は、例えば、20~25歳の間に支払われる保険金の期待値は、22.5歳時点の住宅ローン残高が1000万円とすると、0.115%✕1000万円=11,500円となり、55歳まで足し合わせると、男性が20歳で35年ローンを契約した場合の期待値となります。

このように計算していったときに、例えば、2024年10月にキャンペーンをやっている某銀行の変動金利0.29%、5000万円でローン契約した場合の期待値は以下となります。(変動金利ですが、計算上は金利固定)
また、期待値に見合った保険料とする場合の上乗せ金利も合わせて記載します。
参考に、某銀行のがん団信の上乗せ金利が0.1%なので、0.1%金利が増えた場合の支払い金額(がん団信の保険料にあたる金額)は、911,767円となります。

性別ローン契約年齢がん団信で支払われる保険金の期待値期待値に見合った上乗せ金利
男性20歳588,350円0.064%
男性25歳958,101円0.105%
男性30歳1,614,578円0.176%
男性35歳2,736,349円0.296%
男性40歳4,481,623円0.481%
男性45歳6,930,092円0.734%
女性20歳1,310,804円0.143%
女性25歳2,005,909円0.218%
女性30歳2,892,470円0.313%
女性35歳3,949,201円0.425%
女性40歳5,165,219円0.552%
女性45歳6,458,932円0.685%
がん団信で支払われる保険金の期待値

20歳男性以外は、0.1%上乗せでがん団信つけたほうがお得という計算結果になってしまいました。
ちなみに、がんと診断された時点で支払いが終わるので、本当はがん団信の保険料の支払いの期待値はもう少し低くなります。また、住宅ローン残高は上乗せ金利分を含めていないので、含めると残高の減りが遅くなり、支払われる保険金の期待値が少し上がります。そのため、実際はもうちょっとだけ更にがん団信が有利かもしれません。
ベースの金利によっても若干変わりますが、概ね結果は変わりません。
(例えば、金利1%からがん団信の上乗せで金利1.1%になった場合に増える支払金額は、983,719円)

1点気になるのは、累積罹患リスクのデータが、一般的にがん団信の対象外となる上皮内がんを含んでいるかどうかがわかりませんでした。
このデータとは別に、2015円の年齢別の上皮内がんを含まないがん罹患数と上皮内がんを含むがん罹患数のデータが以下にありました。

2015年 年齢階級別がん罹患率(上皮内がん含む/含まない) (国立研究開発法人国立がん研究センター)

このデータから各年齢でのがんに罹患したときの上皮内がんでない確率は以下となります。

性別年齢上皮内がんを含まないがん罹患率(人口10万対)上皮内がんを含むがん罹患率(人口10万対)がんに罹患したときの上皮内がんでない確率
男性20〜24歳20.0520.62797.2%
男性25〜29歳27.9928.9596.7%
男性30〜34歳40.49443.1693.8%
男性35〜39歳72.32278.83591.7%
男性40〜44歳109.69124.24688.3%
男性45〜49歳194.059221.80487.5%
男性50〜54歳370.167421.19487.9%
男性55〜59歳707.654796.05188.9%
男性60〜64歳1,216.6171,352.74789.9%
男性65〜69歳1,849.7712,028.15491.2%
男性70〜74歳2,673.9052,908.98691.9%
男性75〜79歳3,166.1333,420.87292.6%
女性20〜24歳24.99551.00149.0%
女性25〜29歳47.762133.53435.8%
女性30〜34歳97.503231.90742.0%
女性35〜39歳172.528306.5456.3%
女性40〜44歳304.553425.21871.6%
女性45〜49歳459.691565.23981.3%
女性50〜54歳550.108636.09486.5%
女性55〜59歳659.686735.11289.7%
女性60〜64歳794.759880.88690.2%
女性65〜69歳968.2261,065.26390.9%
女性70〜74歳1,200.021,318.76591.0%
女性75〜79歳1,377.8871,493.62392.3%
2015年 年齢階級別がんに罹患したときの上皮内がんでない確率

がん累積罹患リスクが上皮内がんを含んでいるか不明ですし、上皮内がんでない確率のデータの年度も異なっていて、適切か微妙ですが、がん累積罹患リスクに上皮内がんでない確率をかけ合わせて期待値を計算し直すと、以下のようになります。(条件は同様に金利0.29%、5000万円でローン契約した場合)

性別ローン契約年齢がん団信で支払われる保険金の期待値期待値に見合った上乗せ金利
男性20歳536,657円0.058%
男性25歳860,916円0.094%
男性30歳1,439,610円0.157%
男性35歳2,440,885円0.265%
男性40歳4,015,526円0.432%
男性45歳6,250,867円0.664%
女性20歳828,771円0.090%
女性25歳1,385,070円0.151%
女性30歳2,168,539円0.236%
女性35歳3,180,507円0.344%
女性40歳4,390,994円0.471%
女性45歳5,689,061円0.606%
がん団信で支払われる保険金の期待値(上皮内がん含まない?)

無理やり計算したこの結果でも、20歳男性・女性、25歳男性以外は、0.1%上乗せでがん団信つけたほうがお得という計算結果になりました。

他にも計算結果は載せませんが、将来もらう保険金は現在価値に割り引く必要があるのでは?と考えましたが、支払いも将来にわたって払うので同様に割り引くと、あまり計算結果は変わりませんでした。

まとめ

すごく若い年齢で家を買う人は少ないと思うので、ほとんどの人にとってはがん団信はつけたほうがお得になる可能性が高いという計算結果になりました。
ただし、今回の期待値の計算は35年ローンを普通に払う場合なので、おそらく繰り上げ返済すると期待値が下がって損になるのでは、と思います。

あとはがんになる確率が自分は高いのかどうかですが、個人的には健康的な生活習慣を持っていると思っているので、データよりは低いと考えています。ただし、偶発的な要因が多いと聞いたことがあるので、あまり過信しないほうがいいとは思ってます。

そうすると、保険会社は赤字だとサービス提供できないと思うので、どうやって利益を確保しているかを考察すると以下の可能性があるのかなと思います。

  1. 繰り上げ返済する人が多く、実際の保険金の支払いが少ない
  2. がん団信は赤字だけど、条件が厳しいと言われている3大疾病や8大疾病などの団信の利益で補っている
  3. がん団信は赤字だけど、一般団信の利益で補っている

1はよく言われている団信の保険料が低い理由だと思います。
2,3は期待値計算してないのでただの予想です。3の理由があたってるとしたら、がん団信つけないと逆に損ってことになりますが。。。(がん団信つけた人の保険料を一般団信の人が負担してることになるので)

↓モゲチェック新規借入住宅ローン診断↓

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